
「急な出費でお金が必要なのに、どこからも借りられない…」
「過去に金融事故を起こしてしまい、いわゆる『ブラックリスト』状態で困っている」
そんな状況で、ネットで見つけた「車を担保にすればブラックでもOK」という広告。
本当なのか、それとも怪しい話なのか。
結論から言うと、車を担保にする融資は、信用情報がブラックでも借りられる可能性があります。
 
								車担保融資には2つのタイプがある
実は、車を担保にお金を借りる方法には大きく分けて2つのタイプがあります。
「自動車担保金融(貸金業者)」と「車質屋」です。
この2つ、似ているようで全く違います。
金利、車を使えるかどうか、審査の有無も違うため、どちらを選ぶかで状況は大きく変わってきます。
車質屋ってどんな仕組み?
車質屋は、ブランドバッグや時計を預ける普通の質屋と同じ仕組みです。車を質屋に預けて、その価値に応じたお金を借りる。返済できれば車は戻ってきますが、返せなければ「質流れ」といって車は売られてしまいます。
車質屋の良いところ:
- 審査なし。信用情報も一切見られない
- 総量規制の対象外だから、年収の3分の1以上でも借りられる
- 査定が終わればすぐに現金が手に入る
車質屋の厳しいところ:
- 金利が年109.5%。10万円借りたら1年後に21万円返す計算
- 車を預けるから、その間は一切使えない
- そもそも車を預かってくれる質屋がほとんどない(保管場所の問題で)
- 返済期限は通常3ヶ月。過ぎたら車は戻ってこない
貸金業者の自動車担保金融は?
こちらは貸金業法に基づいて営業している業者です。車を担保にするのは同じですが、「乗ったまま融資」という方式なら、車を使い続けながらお金を借りられます。
| 比較項目 | 車質屋 | 自動車担保金融 | 
|---|---|---|
| 金利 | 年109.5% | 年20.0%程度 | 
| 車は使える? | 使えない | 乗ったまま方式なら使える | 
| 審査 | なし | あり(ただし甘め) | 
| 総量規制 | 対象外 | 対象(年収の1/3まで) | 
| 信用情報 | 影響なし | 記録される | 
金利だけ見れば貸金業者の方が圧倒的に低いです。ただし、総量規制があるので、すでに他で年収の3分の1まで借りている人は利用できません。
なぜブラックでも借りられるのか
普通のカードローンなら、過去に延滞や債務整理をしていると審査で落とされます。でも車担保融資は違う。
理由はシンプルです。業者は「この人が返せなくても、車を売れば回収できる」と考えているから。
つまり、あなたの信用ではなく、車の価値を見ているわけです。だから信用情報がブラックでも、車に価値があれば貸してくれる。車質屋に至っては、審査すらありません。
ただし、これは裏を返せば「返せなかったら即座に車を失う」ということでもあります。
契約する前に絶対確認すべきこと
ここからが本当に大事な話です。車担保融資の業者の中には、違法なヤミ金が紛れ込んでいます。
貸金業者を使う場合
1. 貸金業登録番号があるか
正規の業者なら、必ず「○○財務局長(△)第×××××号」という登録番号を持っています。ホームページや店舗に書いてあるはずです。
2. 金融庁のサイトで確認
登録番号があっても、それが偽物かもしれません。金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で、その番号が本物か必ず調べてください。
質屋を使う場合
質屋は公安委員会の許可が必要です。店舗に古物商許可番号が掲示されているか確認しましょう。
ただし、そもそも車を預かってくれる質屋自体が非常に少ないのが現実です。
少しでも「変だな」と感じたら、契約しないでください。「審査なし、即日融資、ブラックOK」と甘い言葉で誘ってくる業者ほど危険です。
結局、どうすればいいのか
車担保融資は、確かにブラックでも借りられる可能性があります。でも、それは「最後の手段」として考えるべきです。
車質屋は金利が異常に高い。年109.5%なんて、まともに返せる金利じゃありません。しかも車も使えなくなる。
貸金業者の方がまだマシですが、それでも年20%の金利は決して安くない。そして返済が遅れれば、生活に必要な車を失います。
もし本当に困っているなら、まず市役所の生活相談窓口や、法テラスなどの公的機関に相談してみてください。債務整理という選択肢もあります。
どうしても車担保融資を使うなら、必ず正規の業者か確認すること。そして、本当に返済できるのか、冷静に計算してから決めてください。