
車を売ってお金を手に入れたいけど、車がないと困る――。
そんな矛盾した状況に直面したことはありませんか?
子どもの進学費用、急な医療費、事業の運転資金。人生には予期せぬ出費がつきものです。
でも地方に住んでいると、車は単なる移動手段ではなく生活の一部。
簡単に手放すわけにはいきません。
そこで最近注目されているのが「マイカーリースバック」です。
正直、私も最初に聞いたときは「そんな都合のいい話あるわけない」と思いました。
マイカーリースバックの仕組み
仕組み自体はシンプルです。
あなたの車をリース会社に売却します。
売却代金は一括で受け取れます。
ただし、所有権はリース会社に移りますが、あなたは「使用者」として月々のリース料を払いながら、これまで通り同じ車に乗り続けることができます。
車検証の名義は変わりますが、手元に置いておけますし、見た目も使い方も今までと何も変わりません。
通勤も買い物も、いつも通りです。
なぜ今、このサービスが広まっているのか
背景にはいくつかの事情があります。
コロナ以降、収入が不安定になった人が増えました。急な出費も増えた。でも特に地方では、車なしでは生活が成り立ちません。
「お金は必要だけど、車は手放せない」という人が実際に多いんです。
もう一つ、従来の「車担保融資」には問題が多かった。悪質な業者による法外な手数料、違法な取り立て。国民生活センターにも相談が絶えません。
それに比べて、マイカーリースバックは正規の売買契約とリース契約です。
メリットは何か
まとまった現金がすぐ手に入る
これが一番大きいでしょう。車の査定額に応じて、数十万円から場合によっては100万円以上を一括で受け取れます。
銀行のカードローンだと審査に時間がかかる。金利も高い。でもマイカーリースバックなら、比較的スピーディーに資金を調達できます。
慣れた車に乗り続けられる
長年乗っている車には愛着があります。操作にも慣れている。新しい車に買い替えると、運転の感覚が変わって最初は不安です。納車まで時間もかかる。
その点、マイカーリースバックなら心配無用。今まで通り、同じ車で生活できます。
月々の支出が見える化される
リース料は毎月定額。自動車税や車検代のように、不定期に大きな出費が発生することがなくなります。
家計管理している人にとっては、この「見える化」は意外と助かります。突然の出費に慌てることがなくなりますから。
車担保融資より安全
車担保融資は、車検証を業者に預けることで違法状態になるリスクがあります。法外な手数料を請求されることも。
マイカーリースバックは、あくまで売買とリース契約。車検証も手元に置いておけます。契約内容も明確です。
審査が比較的通りやすい
一般的なローン審査に通らなかった人でも、利用できる可能性があります。
なぜなら、リース会社は車そのものの価値も重視するから。車という担保があるため、審査基準が違うんです。
デメリットと注意点
良いことばかりではありません。
毎月のリース料が発生する
当たり前ですが、リース契約なので毎月決まった金額を払い続ける必要があります。
例えば50万円を受け取って、月3万円のリース料を3年間払うとしたら、総額108万円。
長期的には受け取った金額以上を支払うことになります。
「今すぐ50万円が必要」という緊急性と、「今後3年間、毎月3万円を払い続けられるか」という継続性。両方をしっかり考える必要があります。
途中でやめられない
リース契約は基本的に中途解約できません。解約するなら違約金が発生します。
契約期間は慎重に選びましょう。「3年後には収入が安定する」「5年は確実に払える」といった現実的な見通しが大切です。
所有権を失う
売却するので、車の所有者はリース会社になります。
急に車が不要になっても、勝手に売却できません。大幅な改造やカスタマイズも制限される場合があります。
すべての車が対象ではない
リース会社によって条件は違いますが、対象外になることが多いのは:
- ローンが残っている車
- 年式が古すぎる車(15年以上など)
- 走行距離が極端に多い車
- 大幅に改造された車
- 事故歴が多い車
申し込む前に確認が必要です。
リース料に含まれない費用もある
契約内容によりますが、ガソリン代、駐車場代、任意保険料は自己負担になることが多いです。
「リース料さえ払えばOK」ではないので、契約書をよく読んでください。何が含まれていて、何が含まれていないのか。
車担保融資との違い
「車でお金を」と考えたとき、車担保融資を思い浮かべる人もいるでしょう。
でも、この二つは全く別物です。
車担保融資は「車を担保にお金を借りる」こと。つまり借金。
マイカーリースバックは「車を売って、その後リースする」という売買契約。
車担保融資の問題点
- 悪質な業者が多い
- 法外な金利や手数料
- 車検証を預けることで違法状態になるリスク
- 違法な取り立て
実際、「高額な手数料を請求された」「車を勝手に売却された」というトラブル相談が後を絶ちません。
マイカーリースバックは正規の契約なので、契約内容が明確。車検証も手元に置いておけます。
主なサービス提供会社
実際にどんな会社がサービスを提供しているのか、主要なところを紹介します。
クルマネー(X STAR株式会社)
2025年1月に始まったサービスで、すでに累計申込数3000件を突破しています。
WebやLINEから申し込めて、スマホだけで手続きが完結します。
車検や保険、税金も月額料金に含められるプランがあって、維持費の管理がしやすい。契約終了後は、返却・再リース・買取の3つから選べます。
カシャリ(cashari)
アプリで車を撮影するだけで査定ができます。
対象は国産車のみ。契約期間は48ヶ月(4年間)。
月額料金には税金、自賠責保険料、メンテナンス費用(車検、法定点検、オイル交換、バッテリー交換など)が含まれています。突発的な出費を抑えられるのがメリット。
リース満了時には、残存価格を支払えば車を再購入できます。
ヤマダクルマネー(ヤマダホールディングス)
家電量販店大手のヤマダが提供するサービス。
「ヤマダマイくる」というアプリ専用で、会員なら利用できます。
申込みから契約、管理までアプリ内で完結。将来的にはヤマダポイントや他の生活サービスとの連携も予定されているそうです。
技術基盤はクルマネー(X STAR)を採用しているので、安心感があります。
カルモくん(ナイル株式会社)
サブスク型のカーリースとして知られていて、リースバックにも対応しています。
月額1万円台からという手頃な価格帯が魅力。整備・車検・保険込みのプランも豊富です。
LINEやチャットで気軽に相談できるサポート体制も整っています。
カーチス
中古車大手のカーチスが提供する、実店舗対応型のサービス。
他がオンライン完結型なのに対し、カーチスは店舗で直接相談できるのが特徴。
即日査定・即契約も可能で、スタッフと対面で話しながら進められます。
特に高齢の方や、ネットでの手続きに慣れていない方には安心です。
どれを選ぶべきか
正直、「これが絶対おすすめ」という会社はありません。
あなたの状況や優先順位によって、最適な選択肢は変わります。
| ニーズ | おすすめの会社 |
|---|---|
| スマホで手軽に完結させたい | クルマネー、カシャリ、ヤマダクルマネー |
| 月々の費用を抑えたい | カルモくん |
| 対面で相談したい | カーチス |
| メンテナンス込みで安心したい | カシャリ、カルモくん |
| ポイント連携に期待 | ヤマダクルマネー |
複数の会社に査定を依頼して、条件を比較してから決めるのが賢いやり方です。
みんなが気になる疑問
最後に
マイカーリースバックは、使い方次第では本当に便利なサービスです。
ただし、「今すぐお金が欲しい」という焦りだけで飛びつくのは危険。
毎月のリース料という新たな負担が発生すること、長期的には受け取った金額以上を支払うことになること。
これらをしっかり理解した上で判断してください。
大切なのは、「本当に今、このサービスが必要なのか」「他に選択肢はないのか」を冷静に考えることです。
もし利用するなら、複数のリース会社を比較して、契約内容をしっかり確認してください。